映画においての「監督」と「製作者」の違い

雑記

映画において「監督」と「製作者」はどう違うのか?

映画の制作には携わる人が多く、それぞれが専門的な役割を担っている。
その中でも映画の完成度を大きく左右する二つの職種、それが「監督」と「製作者」だ。
一見同じような役割に見えるが、実はその実態は大きく異なる。
本記事では監督と製作者の違いと、その役割について詳しく解説していく。

映画の舵取り役「監督」

映画監督とは、文字通り映画の制作を統括し、最終的なビジョンを決定する責任者である。
脚本の解釈、俳優の演技指導、撮影方法の設定等、映画作りにおけるあらゆる要素に対して指揮を執るのが監督の仕事だ。
監督の意思決定が、作品の良し悪しに直結すると言っても過言ではない為、非常に重要なポジションである。

まずは「監督」の仕事内容の詳細を見てみよう。

  • 脚本の解釈と映像化
    監督は脚本を読み込み、脚本家の意図を汲み取りつつ、どのように映像として表現するかを頭でイメージし、映画に落とし込んでいく。
    この際、脚本にない部分を加えたり、逆に削ったりすることあるという。
  • キャスティング
    監督は俳優や女優を選び、彼らに演技指導を行います。俳優の持ち味を引き出し、脚本に描かれたキャラクターをスクリーン上で生き生きと表現させるのが監督の腕の見せ所です。
  • 撮影方法の指示
    カメラワーク、ライティング、編集など、撮影に関するあらゆる要素は監督が決める。
    どのような映像を観客に届けるのか、監督の手腕によって大部分が決まるので責任重大だ。
  • 現場での指揮
    撮影現場では、監督が最終的な判断を下しスタッフやキャストを指揮しする。
    限られた時間と予算の中で、監督のビジョンを映像化していくハードな仕事になる。

豊富な映画知識と経験が求められ、尚且つ現場をまとめ上げる優れたリーダーシップとコミュニケーション能力も必要となるポジション、それが「監督」なのだ。

映画の資金調達と運営管理「製作者」

一方「製作者」とは、映画の制作に必要な資金を調達し、映画製作全体を運営・管理する責任者を指す。
映画監督は作品の芸術的な側面を担当するのに対し、製作者は映画をビジネスとして成立させるための役割を担うことになる。

では今度は「製作者」の仕事内容の詳細を見てみよう。

  • 資金調達
    映画製作には莫大な資金がかかる。
    製作者は出資者を募り、交渉する。映画製作に必要な資金を調達するのだ。
  • 製作委員会の結成
    映画によっては複数の企業が出資する場合がある。製作者は、出資者同士の利害調整を行い、製作委員会を結成し、映画製作を円滑に進めるように取りまとめる必要がある。
  • 予算管理
    製作者は調達した資金を適切に配分し、予算内で映画を完成させるためにお金のやりくりをする。
    具体的には撮影スケジュールの調整や、スタッフのギャラ交渉などが挙げられる。
  • 配給宣伝
    映画を完成させただけでは観客は観に来てくれないため、製作者は配給会社と契約し、映画を多くの劇場で上映してもらうため交渉を行う。
    また、宣伝やプロモーションにも携わり、映画を広く世間にアピールする役割がある。

製作者には、資金の調達力や交渉力、経営手腕が求められる、いわばビジネスマンなのだ。

監督と製作者の力関係

監督と製作者は、映画製作においては対立する立場になり得ることもあるが、理想的な関係は相互協力だろう。
監督は芸術的なビジョンを追求し、製作はそのビジョンをビジネスとして成立させるためのサポートを行う。

監督に強い権限が与えられている映画監督主導型の作品もあれば、製作者が主導権を握り、監督の表現を制限するようなケースもあるので、肩書によってパワーバランスが決まっているかといわれると一概にそうとは言えない。
監督と製作者の力関係は、映画製作委員会の構成や出資元の意向などによっても左右される場合がある。

まとめ

いかがだっただろうか?
今回は混同しやすい「監督」と「製作者」の違いについて解説してみた。
映画のエンドロールでふと上記の違いについて気になったりした方の疑問が解決すれば幸いだ。

以上、映画においての「監督」と「製作」の違いでした。

読了頂き、ありがとうございました。

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