たった2時間の映画を観続けられないあなたへ

雑記

サブスクでの映画体験とその利害

近年、サブスクの普及により現代人は家で映画を観る機会が多くなっている。
映画館に足を運ばずとも、居心地のいい我が家で観る映画は最高だ。

果たして本当にそうだろうか?

まずは、映画館の環境を思い浮かべてみてほしい。

・真っ暗
・静か
・観客達
・大きなスクリーン

概ね上記の通りだろう。
映画館というだけあって、「映画」に集中する為のすべてが揃っており、私たちの集中を逸らす物も無い。

では次に、あなたがサブスク等を利用して映画を観る時の環境を思い浮かべてほしい。

・居心地のいい部屋
・プライベートな空間
・自由

上記のような感じだろうか?
人によっては柔らかいソファーで観るかもしれないし、ベッドに寝転がって観ている人もいるかもしれない。
一見、こちらも「気兼ねなく観れて良いのでは?」と思うかもしれないが、これには罠がある。

自宅での映画鑑賞は「自由」過ぎるのだ。

「自由な映画体験」は本当に良いものか?

自宅での映画体験にはもちろん大きなメリットが存在する。

・安価(or無料)
・一時停止や巻き戻し可能
・映画館に足を運ばなくても良い
・プライベートな空間でリラックスできる

特にレンタルビデオやDVDから、安価な配信サービスへとシフトしてきた現代では映画館に行くよりも上記のメリットの為、家で映画を観る人の割合が急上昇している。
勿論筆者も例外ではなく、映画の鑑賞本数だけでいえばサブスクでの視聴が多い。

しかし、この「自由でプライベートな映画体験」は現代人には向いていないのではないかと考えている。それは何故か?
答えはこれを読んでいるあなたの手元にある。

そう、スマートフォンだ。

まずは一つ質問したいのだが、あなたは自宅で2時間映画を観る際に一度もスマホを触らないだろうか?
一度も通知が気にならないだろうか?意識がスマホに向いたりしないだろうか?
映画館であれば、電源をOFFにしたり機内モードにするのが「常識」とされており、上記の問題はまず起こらないだろう。

しかし、我々現代人は基本的に、重度軽度は別れるにしても「スマホに依存している」のだ。
依存した我々は、通知が来れば確認したくてたまらなくなる。
たとえ、確認しなかったとしても頭の片隅でスマホの中身が気になっている状態が続いている。

なぜ2時間の映画より20秒のShorts動画なのか?

あなたはYouTubeやインスタグラム、TikTokで「ショート動画」を観るだろうか?
無限におすすめに現れるコンテンツをスクロールして膨大な時間を過ごしたことは無いだろうか?
もしもその答えが「YES」であれば、それこそがあなたが映画を集中して観られない原因の可能性がある。

現代人にマッチしたコンテンツ「Shorts」

Shorts動画とは、その名の通り数秒〜数分の極めて短い動画コンテンツである。
ここ最近ではShortsの爆発的な流行に伴い、様々なクリエイターが短時間の動画市場に参入しており、かなりの盛り上がりを見せているコンテンツといえる。
Shorts動画の画期的だった点は、「短時間で膨大な情報量を消費できる」ことが挙げられるだろう。

現代ではタイムパフォーマンス、略して「タイパ」という単語が生まれるほど時間を重視するムーブメントが起きている。
「かけた時間当たりの満足度」が高いコンテンツは流行り、その逆のものからは人が離れていっているのが現状だ。

上述のマインドの若者達には、従来のプラットフォームの「何時間単位」のコンテンツが冗長に感じてしまい、良質な「何秒単位」のコンテンツに自然と手が伸びてしまうのだ。

短期的コンテンツに慣れすぎた現代人

令和に生きる人々の多くがShortsやSNS、YouTube等の、「短期的なコンテンツ」を好んで消費している。
たとえば、Xで140文字のポストを100個スクロールするのは簡単だが、1万4千文字の小説を読むのは難しく感じる。それは何故か?

答えは、現代人の脳が「短い起承転結に慣れすぎた」ということが考えられるだろう。

例えば、一昔前のインターネットが普及する前の娯楽といえば「テレビ」が代表的で、番組あたりの時間は1時間〜長ければ3時間の特番まで、現代のコンテンツと比べればかなり長いといえる。
対して現代の若者が殺到するコンテンツであるSNSは、一つの投稿を消費するのに数秒から数分だ。

一つ前の「テレビ世代」は、1時間前後のコンテンツに多く触れていた為、頭が「1時間コンテンツ」を楽しめるように最適化されていた。
そして現代の「SNS世代」は数分、あるいは数秒のコンテンツに多く触れ、同様に「数秒コンテンツ」を最もおいしく感じるように脳が最適化されているのである。

そして2時間の映画は現代を生きる我々にとって「長時間コンテンツ」であり、それに脳が最適化されていない為あなたの手は自然とスマホに伸びてしまうのだ。

最高の集中力バフ施設「映画館」

上述の通り、我々現代人の脳は意識的、無意識的問わずに「タイパ」を求めてしまう傾向にあり、完全に集中して映画を観終えるのはかなり難しいといえる。

しかし、そんな我々でも映画以外のことを考えず、100%没頭できる魔法の施設がある。

そう、「映画館」だ。

映画館には映画に集中するためのすべてが揃っており、また集中を逸らすものすべてが封印できる「強制映画没頭施設」であり「人間ぶっ映画観せゾーン」なのだ。

まずはあなたが自然に手を伸ばしてしまう「スマホ」だ。
自宅で映画を観ている時なら、通知をチェックしたり休憩と称してSNSをスクロールすることも可能だろう。
しかし、映画館ではどうか?
ルールで「携帯の電源は切ってください」とアナウンスがあり、善良な観客ならそれに従うだろう。
また、仮に多少スマホを触りたい欲求が出たとしても、真っ暗な劇場で一人ブルーライトを煌々と発するのは他人の目がある以上難しいだろう。
(あなたが世界最強の無法者なら話は別だが)

映画館に似た環境を作り出す

先に述べた通り、あなたがもし自宅での映画体験を向上させたいと考えているならば、環境を映画館に近づけると良いだろう。
これは別に、巨大スクリーンを買ったり最高級のスピーカーを買えと言っているのではない。

・スマートフォンの電源を切る
・目の入らないところへ置く

映画館と同様、あなたの集中を逸らす物を遠ざけて封印するのだ。
これだけでもあなたの集中力は驚くほどに向上し、映画への没入度は300%上がるだろう。

上記の極めてシンプルなライフハックは映画だけではなく、集中力を必要とするすべてに応用ができる。
事実、筆者も本記事を執筆するにあたってスマホはなるべく遠ざけている。

最後に

長々と書いたが、結局私が本記事を通して伝えたかったのは至ってシンプルなテーマだ。

要は「映画を観る時くらいスマホの存在を忘れよう」の一点に尽きる。

最高のカタルシスが得られるはずのシーンで通知が鳴ったら?

衝撃的な伏線回収のシーンでふとSNSをチェックしていたら?

上記の様な致命的な機会損失はスマホを封印するだけで限りなくゼロになるだろう。
そして、これを読んだあなたが次に映画を再生する際は、この記事を思い出してスマホを手元から離してみてほしい。

以上が、「たった2時間の映画を観続けられないあなたへ」送る記事でした。
読了頂きありがとうございました。

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